絵本がファインアートよりも下であるとする通念は如何なものであろうか。あの世界中に愛されているクレーの絵を前にした時、彼が「絵本とファインアートのあいだに」幾ばくかのイメージを抱き、その往還を楽しんでいたに違いないと思うことがある。だからこそクレーの絵には楽しさと同時に深さがある。絵本はアートになりうる。そんな想い抱きながら、この同じ分野で果敢に挑戦している日本の作家達はさて如何だろうか―。今展ではすでに絵本を出版している作家もいるが、この作家が将来絵本を創ったらさぞ楽しかろうという視点も入れ、又それがこの国の絵本文化の向上にも役立てば、という欲張った企画である。この中からひょっとすると将来のクレーやミロが誕生するかもしれぬとそんな楽しい期待も抱くのである。作家さん、ライターさん、出版社さん、皆さんいらっしゃい。
御子柴大三
ギャラリートーク
有田道子(魔女おばさん)
「長新太&大竹伸朗を語る」