夕暮れまで遊んだ里山、少し怖くてドキドキした。
木々のざわめきや流れる雲や風の音。
得体の知れない未知の存在を感じたり自然に対して畏敬の念を抱いたり。
そういった原初の記憶はどこか特別な場所に行かなくても
幼い頃の原体験にはその感覚が強烈に宿っている。
大人がまだ子供だった頃に誰もが持っていた異界との境界。
今私が暮らす裏山と子供の頃に暮らしていた里山はリンクして
それを見せてくれる。その一つ一つと対話しながら柔らかいものを救うように描いています。
素材は今暮らしている綾町の森の木をストーブで炭化させて
作ってもらった炭と灰を用いています。
かって九州の画廊から送られてきた一枚のDMに目を奪われたことがある。そこに描かれた女子像がなんとも愛しく私の心を射止めた。子供に注がれた愛しさの眼差しがカタチとなり、それがそのまま絵に顕れているではないか!その作家の名はすうひゃん、親しみが持てる名だ。勿論、初耳であった。
ギャラリー枝香庵での発表は二度目だが、彼女が描く「遭遇」は幼げなおかっぱ髪の少女が二人。白い丸顔に目が点となって何処をみつめるやら?その健気な表情が人の心を惹きつける。
今展では彼女が幼少時代に感じ取った自然界への畏怖の念と、今、母となり我が子に注がれる念とがオーバーラップし、それが大胆かつ繊細な筆致(アクリル、木炭等)となって、宮崎の地(都会を離れれば日本のどこでもある景だが)を背景に繰り広げられているようだ。絵画に新風を送り込む逸材と思える。皆様のご高覧あらんことを願う。
御子柴大三 (アートプランナー)