カイガノチカラ

2021年2月19日(金)-2月28日(日)

11:30~18:00(日曜日、最終日は16:00まで)

会場:7F 枝香庵Flat/WEB

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展示作品

永遠と一瞬の間は緑色
平澤重信

F30
¥1,430,000(税込)

緑黄色社会 -バードウォッチング-
平澤重信

F60
¥1,980,000(税込)

生存領域
平澤重信

F6
¥462,000(税込)

便りを下さい
平澤重信

F6
¥462,000(税込)

時がかさなって海に溶ける
平澤重信

F100
¥3,080,000(税込)

方舟のお願い
平澤重信

S3
SOLD

作品詳細

何が何で何なのよ
平澤重信

S3
SOLD

作品詳細

緑黄色社会 -きょり-
平澤重信

S3
SOLD

作品詳細

ジユウガタ
清野晃代

F6
¥66,000(税込)

而今
清野晃代

25号変形(79.5x32.2cm)
¥277,500(税込)

而今
清野晃代

25号変形(79.5x32.2cm)
¥277,500(税込)

凝視
清野晃代

F4
¥44,000(税込)


清野晃代

M8
¥88,000(税込)

NEKOⅠ
清野晃代

F3
¥33,000(税込)

遥かに望む
清野晃代

SM
¥22,000(税込)

澪標
清野晃代

M20
¥154,000(税込)

Stripe Wanders
清水恵

F60
応相談

Printemps-モッコウバラ
清水恵

SM
SOLD

作品詳細

Printemps-コデマリ
清水恵

M3
SOLD

作品詳細

Printemps-モッコウバラ
清水恵

S5
¥60,000(税込)

hide and seek
清水恵

F80
応相談

confusion
清水恵

S30
¥300,000(税込)

color compose
清水恵

変0
¥40,000(税込)

color compose
清水恵

変0
¥40,000(税込)

平澤重信清野晃代清水恵

「カイガノチカラ」展に寄せて

土方 明司 HIJIKATA Meiji

 絵画の力とは何だろう。
 絵画の起源を太古の洞窟壁画に求めるなら、その原初には「祈り」がある。自然災害、疫病、豊穣への祈り。目に見えぬ不可知なる存在への訴えがある。本来、美術は呪術に通じる、個の必死の営みであった。それは極めて精神的な営為である。他者に閉じられた場所で、秘儀として描かれる絵画。呪術と宗教の境界は諸説あるが、少なくとも宗教には集団性がつきまとう。絵画が宗教に奉仕した時代、絵画は他者に開かれたものとなった。それは宗教を離れた現代の美術にも引き継がれる。他者に開かれたものではあるが、画家は個の世界観を筆に託してきた。それは世界に働きかける祈りにも通じる。その個の祈り・思いが他者のこころを衝き動かす時、絵画は力を持つ。
 本展は、平澤重信さんと彼を慕う二人の若い友人の三人展である。タイトル、「カイガノチカラ」は平澤さんの発案だという。
 平澤さんは周知のごとく、独自の夢幻的な作品で知られる。過去・現在・未来を往還する感覚、遠近高低自在に駆ける視点、また現前する世界に対する漠然とした欠落感、寂寥感。平澤作品から揺曳するこれらの要素は、画家の孤独な詩魂を伝える。それは遠い記憶に眠る、不可視の領域への希求と交信から生まれる。その思いの深度が深いため、個のヴィジョンはある普遍性を持ち、見る者の心の奥深いところに訴える。
 清野晃代は、介護が必要となった祖母の姿を描いてきた。死に向かい衰えゆく祖母の日々を描いた作品は、どれも柔らかな光が偏在する。それは、生と死という発端と終末が本来等価であり、表裏を成すことを伝える。同時に、偏在する光は、生命が持つ力と普遍性を暗示し、静かで深い感動を見る者に伝える。
近年取り組んでいる墨絵では、動物が見せる生命力の強さを、瞬発力のある筆致で捉えている。的確な描写と、スピード感溢れる筆致が相乗し、融通にして自在な強さを見せる。
 清水恵は、最初、耳や鼻、気管支などの身体各部の螺旋構造を描き、最終的に布を題材に選んだ。布で有機的なフォルムを作り、そこに画家自身の内部イメージを投影する。布に引かれたストライプもまた、血管や海の波、あるいは心理的な陰影を投影する。その極めて印象的な有機的フォルムは絶えず律動し、生命の鼓動を伝える。布が織りなす波状、幾重もの渦は求心力と遠心力を生み、無限に続く生命の営みを暗示する。
 三者三様の画風で「カイガノチカラ」を伝える展覧会。見る者にさまざまな思いを伝えるに違いない。

平塚市美術館副館長
武蔵野美術大学客員教授

平澤 重信 HIRASAWA Jyushin
1948長崎市生まれ
1978自由美術協会会員
1985安井賞展(‘86,‘94年)
1992以降毎年個展を中心に発表を行う
2011はじめ展 ギャラリー枝香庵(以降毎年)
2012公募団体ベストセレクション2012
2016ギャラリー枝香庵にて個展(‘18,‘20年)
現在東京都府中市在住



清野 晃代 KIYONO Teruyo
1983横浜市生まれ
2008武蔵野美術大学 大学院 造形研究科美術専攻油絵コース修了 
2010銀座スルガ台画廊にて個展(‘11年)
2012あらかわ画廊にて個展(‘14年以降毎年)
2013-ギャラリー枝香庵にてグループ展参加、mooi展他
現在神奈川県川崎市在住



清水 恵   SHIMIZU Megumi
1981神奈川県茅ヶ崎市生まれ
2008武蔵野美術大学 大学院 造形研究科美術専攻油絵コース修了
2011銀座スルガ台画廊にて個展
2012櫟画廊にて個展
2013-ギャラリー枝香庵にてグループ展参加、mooi展他
現在東京都足立区在住



「カイガノチカラ」ギャラリートーク 2月22日(月)
土方明司氏(平塚市美術館副館長・武蔵野美術大学客員教授)&出展作家

清野晃代

清水恵

平澤重信