石井さんが私に電話をしてきたのが1992年6月24日。石井さんも私も、それから28年の日々を重ねた。発表する場所や回数を選び、作品が市場性を持つことを慎重に避けてきた。熱狂と形容される時は後藤正治さんの「奇蹟の画家」(2009年)TV「情熱大陸」(2010年)の放映からである。しかし、それからすでに10年。石井さんと出会った住まいもそのままにあり、一人そこで暮らし、そこで描く。少しずつ絵の主題も色彩も変わりながらでも、滲み出る誠実さは生きる姿そのものだ。だれもそのようには生きることは出来ない。石井さんが電話してきた18年後の6月24日、家内を亡くした。その偶然の一致を教えてくれたのは石井さんだった。石井さんと私は、運命の糸で結ばれているのかもしれない。変わることなく淡々と歩もう。
ギャラリー島田 島田 誠
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