高垣勝康・リミ展

ふたつのあした

2021年5月14日(金)-5月23日(日)

11:30~19:00(日曜日、最終日は17:00まで)

会場:7F 枝香庵Flat

高垣勝康・リミ展に寄せて    土方明司


 数年前、ギャラリー枝香庵で高垣勝康の作品を初めて見た。未知の作家、それゆえ作品を見た時の驚きは大きかった。
 作品が発する、深く静謐な気配。深沈としたその気配は、内に向かう精神性を強く孕む。求心的であり、求道的な作品を前に、しばし動けなかった。
 折しも「彫刻とデッサン」展を準備していた。画廊主の荒井さんにお尋ねすると、54歳の若さで亡くなったという。展覧会に是非出品したいと思い、奥様のリミさんを奈良に訪ねた。展覧会の共同企画者である、碧南市藤井達吉美術館の木本文平館長、足利市立美術館の江尻潔さん、編集者の庄司美樹さんも誘った。初めてみる作品に皆驚き、強く心を動かされた。無数のデッサンも作品に直結する深い内面性を持つものであった。
 奈良のアトリエでは更なる驚きがあった。リミさんの作品である。羊をモチーフにした立体作品。素材は、綿布、漆、木のミクストメディア。畳の居間に置かれた羊たちの群れは、不穏かつユーモラス、かつ野太い生命力を感じさせる。どこか、マグダレーナ・アバカノヴィッチの作品に通じるものだ。原初的な物語性を感じさせるその作品は、作家の豊かな感性に裏打ちされている。
 関係者にとって、念願の二人展が実現する。この機会に一人でも多くの方に、作品を見ていただけるようにと、願っている。


川崎市岡本太郎美術館館長
武蔵野美術大学客員教授

高垣勝康