井崎聖子展

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―layers of light―

今回、ギャラリー枝香庵の3スペースを使っての個展を開催することができました。
それぞれのエリアで、試みを変えて展示をしております。以下、それぞれのエリアに対してのコメントです。

「きいろいへや」 枝香庵FLAT 7F

【一般に、光のイメージは黄色だとされている。だが、私の作品の中で「発光するように輝く」のは、「白」い領域だ。イメージとしての光の色と、色の持つ力の間を行き来しながら制作していると、黄色が「空白」のように見えることがある。イメージと現象の間を漂いながら、時間を織り込むように、画面に薄い層を重ねる仕事をしている。】
（上記文章は３月２５日発売の、アートコレクターズに載る文章です。）

この部屋では、それぞれの作品が相互干渉するように展示しています。１つ１つの作品を鑑賞しながら、部屋全体に満ちていく光を感じてください。

「クワドリラテラル（quadrilateral）エリア」 ギャラリー枝香庵 7.5F

クワドリラテラルとは、四角形全体を指す言葉です。
普段、当たり前のように長方形、正方形のキャンバスに向かっていますが、支持体の一部が変形したら、作品の内容は変わるのだろうか、と、以前から考えていました。キャンバスの１部をカットすると台形になります。台形の持つ力の歪みや、リズムを画面に取り入れながら制作してみました。

この部屋では、おもちゃ箱のような「ガチャガチャ」した雰囲気が出せると良いな、と思って展示してみました。

「プンクタータ（punctata）エリア」 ギャラリー枝香庵 8F

ラテン語で「斑点」という意味を持つ言葉です。
植物(カンパニュラ プンクタータ、リシマキア プンクタータなど)や、クラゲ等の名前で使われています。

光が内側から生成する時の染みのようなイメージで描いた作品群です。プクプクと漂う、光のイメージを感じていただけると嬉しいです。

2024.3 井崎聖子