すうひゃん。個展「きのうの夜とゆきやなぎ」に寄せて
すうひゃん。は自身の持ち味である「現代社会を見つめる眼差し」と「女性特有の暗愁」を出発点として宮崎で制作を重ねており、近年その世界観は深みを増している。8年前に東京から宮崎へ移住した後は、中心に描かれるものも「女性」から「子ども」へと変化した。描かれている「子ども」が彼女の知る特定の「誰か」であることは少なく、殆どは「誰でもない」-言い換えるならば「誰でもある」-子どもであるように見受けられる。「私たちはみな、かつては子どもだった。そして、そのときにもっていたものは今も身体のどこかに棲みついている」と訴えてくる絵だ。あるいは、幻想性と現代性の融合する画面には、豊かな自然に恵まれた宮崎に在りながら厳しい現代社会に生きるすうひゃん。自身や人々の姿が描写されているのかもしれない。 彼女の作品に滲む希望と絶望、匂い立つような混沌とした感情に触れる時、私は明日というものが一層愛おしいものであるように感じられるのだ。
高鍋町美術館 学芸員 青井 美保
すうひゃん。
1974東京都生まれ
1996武蔵野美術短期大学グラフィックデザイン科卒業
1997-1998セツ・モードセミナー
AWARDS
2000イルフ童画館第 1 田武井武雄記念童画コンテスト入選
2001イラストレーション紙上"ザ・チョイス"入選
2017宮崎県美術展絵画部門準特選
EXHIBITION
1998.8TABITABI 展世田谷市民ギャラリーグループ展
1999.8Natural coulour 世田谷市民ギャラリー個展
2001.6Water Mark 阿佐ヶ谷対山館個展
2003.3楽園のスカーフマキイマサルファインアーツ新橋個展
2003.83Country Exibition Tour グループ鰻
2004瞬間の隙間ギャラリーアンシール日本橋個展
2006ある人の気記阿佐ヶ谷対山館個展 他
2011宮崎県綾町ヘ家族と移住国際交流員として綾町にて勤務
活動を再開
2015.6スカートのすそのセンダングサ GARALLY INDIVIDUAL 宮崎市個展
2016.1ユズリハみやざきアートセンターワンダーアートスペース(宮崎市 )2 人展
2017.1リトルメロデイ宮崎県立美術館県民ギャラリー個展
2017.5ワンダーアートフェスティバルみやざきアートセンター宮崎市
2018.8静寂とハミングすうひゃん。村田春子なかお画廊熊本 2 人展
WORK
ライブ、ペイント/ウインドウディスプレイ壁画/イベント/挿絵/本装画他