表現者には、美しいものを手で触りたいという限りない要求があり、その本質をこの世に具現化する。
手によって完全にコントロールされ生み出された「やきもの」。その口には緊張が走り、釉薬はかたちをゆっくりと撫でる様に流れ出す。ときにその形態は「女(ひと)」を表しているのかもしれない。
また、自然の火の力により生み出された「やけもの」。何日も焼かれた後、窯の中、灰の中からひとつずつ取り出し、選ぶ行為は、土の内側より生まれ出た彩色の光を探し出すことだ。
医師であるつくり手の、本気で余技に興じて生み出された作品は、彼の一貫して触感に強く訴えてくるアートコレクションと響きあう「いのちのかたち」、そこに「たまらない」世界がある。
画家 永津 照見