作品名:ヒエログリフダイアリー
作家名:木下晋
木下晋が24時間欠かさず携帯しているポケット手帳に書いている日記。
1980年約束を書き留めておこうとポケットサイズの手帳を使い始めたことがきっかけだった。
1日の予定欄に約360文字数を書き込むスペースがあり、それを見開き2週間分の大きさで見れば、縦13.5cm、横16㎝の中を約5040字の極小文字で埋め尽くすことになる。万年筆の極細を使って1ミリ以下の文字で記述している。1980から2023年の今も毎日の出来事を記している。
この手帳はエジプトの象形文字になぞらえて「ヒエログリフダイアリー」と題して美術作品になっている。国内では2007年に熊本市現代美術館、2010年に金沢美術工芸大学が運営する「アートギャラリー」などで発表、ベルリンなど海外でも発表している。
今回は2006年~1995年12年分の「木下晋ヒエログリフダイアリー」が展示されている。
ヒエログリフとは…
古代エジプトの象形文字。1799年ナポレオンがエジプトを遠征した際にロゼッタで発見したロゼッタストーンにとても細かく、びっしり文字が刻まれていた。1822年フランス人によって解読され、その文字はヒエログリフと呼ばれた。神聖文字ともいわれる。
木下 晋 Susumu KINOSHITA
1947年富山県に生まれる。1969年評論家・瀧口修造に出会い、洲之内徹らに認められ親交を結ぶ。瞽女・小林ハルや元ハンセン病患者の詩人・桜井哲夫など独自の鉛筆画で描き続け、現在パーキンソン病の妻をモデルにした作品の制作を続けている。
196316歳 作品「起つ」を自由美術協会に出品、初入選を果たす。
196922歳 8月村松画廊での初個展で、評論家・瀧口修造と出会う。
197528歳 木下晋油絵展(現代画廊・東京 ’77 ’79 ’81 ’83 ’85)
1989注連寺の天井画本図を制作。
1992個展(ニューヨーク・キーンギャラリー)
1997「木下晋 えんぴつの世界 1981-1997」(池田20世紀美術館・静岡)
2001「スタンダート展」(直島コンテンポラリーアートミュージアム・香川)
2004「六本木クロッシング:日本美術の新しい展望2004」(森美術館・東京)
2010瀬戸内国際芸術祭(2010、2013年)
2012「木下晋展 祈りの心」(平塚市美術館・神奈川 他2館巡回)
2015教科書「高校3年・美術」(日本文教出版・三村図書刊)に制作風景と作品が掲載
2016「エッケ・ホモ―現代の人間像を見よ―」(国立国際美術館・大阪)
2017「リアルの行方」(平塚市美術館・神奈川 他4館巡回)
ヨコハマトリエンナーレ(横浜美術館)
NHK日曜美術館・特集「リアルの行方」に出演
2018中学校の道徳教科書「あすを生きる」(日本文教出版)に合掌図が掲載
2019NHK ETV特集「日々、われの日々」-鉛筆画家 木下晋 妻を描く-に出演
初の自伝「いのちを刻む 鉛筆画の鬼才、木下晋自伝」出版(藤原書店)
2020「コレクション-現代日本の美意識」国立国際美術館(大阪)
2021中国の浙江省少年児童出版社から
絵本「奶奶的除夕夜(おばあちゃんの大晦日)」刊行
2022「LOVE&LIFEコレクションより愛をこめて」新潟市美術館
「木下晋展 明日へ」みつけ市民ギャラリー ギャラリーみつけ
「驚きの鉛筆画 木下晋の絵本原画展」池田記念美術館
2023「木下晋展 神々しく美しいもの」胎内市美術館
「所蔵作品展 MOMATコレクション」東京国立近代美術館
2024「家族の肖像」国立国際美術館
2025新収蔵作品展「たいせつなもの」神奈川近代美術館館蔵別館
「Art of THE RIAL」鳥取県立美術館
コレクション展「いのちの寓話」足利市立美術館
パブリックコレクション
東京国立近代美術館 国立国際美術館 神奈川県立美術館 兵庫県立美術館 横浜美術館 富山県立美術館 石川県立美術館 新潟県立近代美術館 宮城県美術館 目黒区美術館 府中市美術館 福岡市美術館 平塚市美術館 沖縄県立博物館・美術館
他多数
