作品詳細:

痛神鳥(つかみどり)

目時白珠


作品名:痛神鳥(つかみどり)
作家名:目時白珠
制作年:2022
素材:ボーカスペーパー、墨
サイズ:25.7x36.4cm(B4)
価格:SOLD

江戸時代のコレラ流行時に、世の中の陰鬱とした空気とは裏腹に、好景気に沸いた職業が描かれたかわら版「通神鳥」をモチーフにした作品。
令和の疫病「古呂奈」により、多くの人が悲しんでいるのを横目にしながら、古呂結構(ころけっこう)と喜んで鳴いている怪鳥「痛神鳥」のお話。
疫病は、汚い手で触ると伝染すると言われ、皆毒を消す汁をせっせと手に塗るようになった。
会話をすると伝染するとも言われ、皆口に布を当てるようになった。今は様々な色や素材があり、皆おしゃれを楽しんでいる。
外出したら伝染すると信じる庶民は、家にいながら、携帯の通信で逢引し、逢う時も透明な板を挟んでいる。
疫病が手を通じて伝染するのを嫌った結果、世の中から大判小判も一文銭もなくなってしまった。庶民は出かける時に疫病を患っているか否かを調べる。その検査をするための道具は飛ぶように売れている。
疫病を患わないように、庶民は皆、決められたアメリカの会社の注射を打っている。一昨年、この会社の売上は爆増した。

目時白珠